外国人 日本語教師

日本語教師の世界へ

日本語教師になったきっかけは新聞広告でした。 それまで日本語教師という仕事の認識がなかったのですが、外国人と関われる仕事に興味があり、塾講師の経験から教えることも何とかなるだろうと日本語教師について色々調べることにしました。 その結果、お金をかけずになる方法として唯一日本語教育能力検定試験に合格する道があったので、他の仕事をしながら独学で勉強することにしました。 (独学におすすめの日本語教育能力検定試験の合格を目指す通信講座についてはこちら) 1年に1回しかない上範囲も幅広く、モチベーションを高めるのに苦労しました。 幸い大学で専攻したコミュニケーション学が出題範囲に一部あったので、その部分はあまり勉強せず他の範囲に集中できました。 後半は特に苦手だった歴史分野と文法分野に集中し勉強を続けることができ、結局3回目にしてやっと合格することができたのです。 合格から約2年後、それまでの仕事を退職し、都内の日本語学校の採用に応募しました。 需要も多いからか、幸運にもすぐに採用を頂きました。 ただ私は試験に合格しただけで、日本語教師の養成講座や大学での専攻のように教授経験が皆無のため、採用された学校とは別の学校で事前に日本語教師経験がない人のための1ヶ月ほどの研修に参加しました。 しかしそれでもやはり不安はありました。 採用された学校は学生、教師の人数もかなり多いので、毎学期新任教師が多数おりました。 そのため研修期間では教案の書き方を教えて頂いたり、教案のチェックもあったりと初めての学校としてはよかったと思います。 私は日本語教師になる前、学校運営の立場で予備校で働いていました。 学生は日本人ですが、色々な学生がおり、無理やり行かされているような意欲のない学生もおりました。 わざわざ日本へ来て英語のようにメジャーでもない日本語を勉強しているのだから、いくら日本が好きというわけではなく仕事のためであっても意欲がある学生がほとんどだろうという期待がありました。 しかし働いてみると、予備校時代のように色々な学生がいるということを改めて痛感しました。 もちろん、日本がとても好き、日本語を真面目に勉強したいという学生は多いですし、熱心な学生もいます。 でも時には声を張り上げて叱ったり、毎日学校に来ない学生と面談したりする事もあります。 給与面に関しては、日本語教師の仕事について調べている時から低いということを把握していたため、期待できないことは承知でした。 案の定、特にはじめは事前の準備が大変で、教案作りに追われる毎日でした。 給与は授業分しか出ないため、準備に時間をかければかけるほど損をしている気になってしまいます。 一度教案を作ってしまえばその後は同じ範囲の授業準備時間は極端に減ります。 慣れてくると、週にたくさんコマをいれた時などは事前準備をほとんどしない時もあります。 しかしその都度クラスのメンバーは違いますし、理解度にも差があるのでなるべくならそのクラスにあった授業の仕方を毎回考え準備するのが1番良いということを最近感じています。 また、毎回の授業で出た反省点を次回生かせればよりよい授業ができるのですが、給与の面だったりその時の忙しさでついつい後回しにしてしまうことが多いです。 学生は1日約4時間、平日に毎日日本語を勉強しています。 毎日沢山の語彙を覚えなければなりませんし、非漢字圏の学生は漢字を覚えるのも一苦労です。 アルバイトもありますし、疲れて眠そうな学生も時々います。 なるべく楽しい授業、印象が強い導入をしようと思い、教案を考え準備をするようにしています。 ただ範囲によってはそれが難しかったり、考えれば考えるほど時間がかかってしまうため、妥協をしてしまう事もあります。 日本語教師として1年働いた後、引越しもかねて他の学校でも働こうと思い2校を掛け持つことにしました。 私が担当したクラスは基本的に初級クラスのため、2校目でも初級クラスの担当になりました。 同じ教科書を使っているのですが、学校の方針や学生の違いなど様々な面で視野が広がりました。 具体的には、初めの学校は専門学校や大学に進学する学生がほとんどで高校卒業したばかりの年齢の学生が多数いるためか、テストの採点が厳しかったり、カリキュラムの進みも早いです。 2校目は就職目的の学生も多く全体的に年齢がもっと上です。 テストの採点に関しては、特に初級は学生の理解度を重視しているため許容範囲が広く、また授業も教室活動を必ず入れます。 中でも一番の違いはスクリーンを導入しているという点です。 そのためパソコンや携帯からパワーポイントやワードで作成した絵カードやフラッシュカードを映し出したり、動画を見せる事も可能なため、紙媒体の授業だけより可能範囲が広がり授業の準備もやりやすいです。 学校の設備の充実度も教師の授業準備を左右します。 授業前後の事務作業の量も学校によって違います。 1つの学校でなく複数の学校を経験した方が、その学校の長所短所がわかり、自分にとってどのような働き方が適しているかがわかると思います。 私は現在初級クラスの担当しかありません。 一度初級クラスの1つ上の初中級の授業を担当したことがありますが、学生と話せることが増え、会話練習などもバリエーションが増える分、微妙な違いを教える事も多く、より日本語の知識や説明の仕方を考えることを必要とされます。 今後日本語教師としての幅を広げれば、他の職場への道も開けもっと日本語教師としての成長につながると思うので、今後はもっと上のレベルのクラスも担当したいと思いますが、その分また一から授業準備が必要となります。 勤務回数を減らして授業準備の時間を確保すれば良いのですが、その分給与も減ってしまうため、働き方のバランスが大事になります。 働き方初めの頃は教案作りが想像よりも大変で何度も辞めようと思ったことがありましたが、自分が教えた時に学生が理解できたとき、学生に感謝されたときの喜びがあり、今も続けています。 経験が増え、色々な学生に接するほど、学生の理解の傾向や国ごとの傾向がわかるようになる反面、こんな間違え方があるのか、この導入ではこの国の人はわかりにくいのか、など新たな発見も多々あります。 幸い私の勤務している学校はどちらも多国籍のため、2年で約15か国の学生を教えた経験ができました。 その国について知らなかったこと、イメージと違ったことなど学生から学ぶ事も多いです。 今まで興味がなかった国でも、学生の話を聞いて興味が出たり行ってみたくなったりすることもあります。 同じ職場で働く大ベテランの先生が、日本語教師を辞めたら今まで教えた学生の国をまわるのが夢だと仰っていました。 とてもすばらしい、日本語教師ならではの夢です。 私もまわりきれないぐらい沢山の国の人達と接し、教えたいと思いました。 これほど様々な国の人と関われる仕事はあまりないと思うので、お金を稼ぐことよりも、価値観が広げられたり、人間性を高められたる仕事なので、そのような点がお金より大事だと感じる人にはやりがいがある仕事だと思います。