主婦 日本語教師

日本語教師の日常とこれからの考察

こんにちは、今回は私が日本語教師として生計を立てていた時の体験談を自分の目線で書いていきたいと思います。 まず、なぜ私が日本語教師になろうかと思ったのかというと、単純に大学の時に語学の教育課程を出ていてそれを主婦になってから有効に使えないかと考えたからです。 実際、日本語教師になろうとすると私の様に大学の教育課程で専攻を取るか、420時間もの養成講座を修了するか、日本語教育能力検定試験に合格するかしかありません。 私の日本語教師仲間は先述した420時間養成講座を経ての就業の方が多数を占めていました。 受講自体にそこまで制限はなく資格も要らないのですが、なにせ420時間という受講時間と50万円以上かかる受講料がネックでハードルになっています。 教師仲間には、大学で資格を取ってもそれを活かして働いている人が少なくて腹が立つ、とよく聞いたものです。 私自身も業界的には出戻りなので耳が痛かったです。 日本語教育能力検定試験は受験に資格も制限もありませんが、全体の8割が落とされてしまう非常に狭き門なので、独学で突破することは実情難しいと言われています。 (試験合格を目指すおすすめの通信講座情報はこちら。) その様な日本語教師事情も含めて、周囲から、特に親から散々その大学での勉強を活かす様に勧められて、主婦になってようやく人材派遣会社に日本語教師として登録することによって、周囲の、特に親の念願を叶えた形になったわけです。 私はもともと結婚、出産を迎えて主婦になるまではweb制作の現場で働いていました。 語学自体を活かす仕事ではなかったため、主婦になって1コマごとにお給料が出る日本語教師に魅力を感じるまで、まったく過去の勉強を振り返ることもなかったので派遣会社に登録が終わって、すぐに出勤要望の連絡が来た瞬間から私の振り返り勉強が始まりました。 そもそも日本語教師の資格を有するというだけで、日本語教師として勤務したことがない私がいきなり授業をしてしまっていいのだろうか? という杞憂も出勤すると消えてしまいました。 先輩教師の方がすでに教室にいらっしゃって、そのアシスタントという立場で10コマほど授業を見学させてもらえることになっていました。 それはそうですよね、登録するときに自身の情報は包み隠さず提示しましたから。 でも、こんな私でも教育して日本語教師としての派遣先があるということを知って、今の日本語教師事情を垣間見ることになりました。 その後、アシスタント生活が終わって自身が授業を受け持つ様になってからその思いは確信に変わったのですが、現在、日本語教師は都市部では極端に不足している様です。 私の派遣先はその週によって変わりますがおおよそ、新宿にある日本語学校か、都内の外資系の会社です。 日本語学校の方は留学生相手に教室の一角で日常会話を中心に教えていました。 外資系会社のオフィスに招かれた時は入ったことのない様な大きいビルの会議室の中で自分の年収の何倍ももらっている様な人間に、私のチープな絵を描いたカードを配ったりしながら主にビジネス系の日本語を教えていました。 私の場合、自分の希望で週に2〜3日の出勤で日に4〜5時間程度の希望だったのですが、実際アシスタンントとしての授業消化が過ぎると、その倍のシフトをやんわりと、しかし確信に満ちた雰囲気で要求されました。 正直そこまで働いてしまうと、扶養保険にも引っかかるしなにより家庭が回らなくなってしまいます。 しかもこれも実際に働く様になってわかったことなのですが、日本語教師は実働時間でしか給料が発生しません。 現在の都内の日本語教師の時給相場は2200円ほどです。 それだけ聞くとなかなか割が良さそうですが、実際の授業時間は60分を切ることもあるし、授業が終わってしまえば時給は発生しません。 授業の合間の次の授業の準備もタダ働きだし、オフィスからオフィスの移動を要求されてもその時間は無給です。 CDを聞いて書き取りをさせてその答え合わせの時間も無給だし、グループディスカッションのレポートを人数分目を通す時間も無給です。 でも人と向き合う仕事であるため、無給だからと適当に投げ出すことができずに泣き寝入りも同然で働いていました。 きっと、この状況が日本語教師の絶対数の少なさの原因だなと、確信しています。 一コマと一コマの間が5時間空く日もあって本当に時間の無駄だと思いました。 後から同業の友達なんかに聞く話では、この様な状況なので男性の離職率が高く、主婦が意外に多い業種なのだそうです。 ヘッドハンティングされて企業のお抱えの日本語教師になれたり、有名大学を卒業していて箔がある様な講師は語学に力を入れている大学で講師として招かれたりもするのだそうですが、現実は私の様な働き方をしている日本語教師がほとんどです。 この様にこの職で人並み以上にやっていこうと思ったら、どこかの組織のお抱えの人間になれないと日本での実情は難しそうです。 海外での日本語教師事情はまた違う様ですが、アジアだと一番日本が待遇はマシだそうです。 私は結局2年近く働いて大きくその二つの現場でしか日本語教師として稼働していませんでしたが、私は日本語学校の生徒さんが本当に好きでした。 日本語学校の専属教師だったら、今でも続けていたかも知れないくらい本当に教育の一翼を担っていると思えるほどやりがいのある仕事でした。 私の教室はほとんどが中国人の留学生だったのですが、みんな本当に熱心で、勉強家で、私がどんな授業をするのか毎回楽しみにしてくれている様でした。 それに私の主婦としての経験も活かせたからこそそう思えるのかも知れません。 みんな自分の息子や、娘の様に接することで、遠く離れた祖国にいる家族の様に思ってくれていた子もいました。 授業で教師の立場とはいえ、相手は学生さんのことが多いので授業中に限らずしつけの様になってしまう瞬間もたくさんありました。 そういったシチュエーションでは、やはり自分が子育てを経験していることがアドバンテージになったと思っています。 逆にビジネスマンは、私のことを最初から見下している様な人が多く、これからやる授業に対してどういった状況で、どういった意味を持つのか?など、その授業の価値自体に懐疑的な人間が多かった様に感じました。 これは感覚的な話ですが、自分のお金で授業を受けているのか、会社のお金で授業を受けているかの差だと思います。 やはり学生たちの方が、お金がかかっている分少しでも吸収してやろうという意気込みを感じましたし、授業自体に前のめりでした。 オフィスでの授業は居眠りなんてそこらじゅうでされていたし、作文もまともに書いてくれないし、教師である私を口説こうとしてくる空気を読まない人間も多数いて本当に疲弊する現場でした。 ここまで、自分の拙い経験の中から思いつく限り日本語教師として思ったことを書いてきました。 結構デメリットを取り上げてしまった感じがありますが、私はこの仕事は本当に気に入っていました。 日中の仕事なので主婦として取り組みやすかったし、時給自体は大変魅力的だし、同業者にも主婦が多くておかげで友達もたくさんできました。 それにやはり大学生を相手に勉強を教えることができるのって、本当に未来に向けて種を蒔いている気がして素敵な気持ちになったものです。 日本語教師の養成講座も、日本語教育能力検定試験も真面目に取り組めば決して難しいカリキュラムでも勉強でもないので、興味がある方がどんどん日本語教師になってくれることを期待したいと思います。